料理人の一押し逸品

料理人の1600以上からの料理ファイルから料理人が、これはと思う一皿を勝手に選び、毎回一品づつ紹介します。
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 1、鮟肝燻製
鮟肝は色々と料理方法はあります、塩をして蒸した物が定番でしょうが、今回は初めて燻製にしてみました。少し長めの時間燻製にしましたと云っても、燻製にする道具がないので一斗缶を二つ組み合わせて自家製の薫製缶を作り、リンゴのチップを使い仕立てました。思った以上に良くでき、味も上品な味になり、お勧めです(珍しさもあると思います)。長めに薫煙を当てありますので日がたってもそれほど味は落ちません。

 2、梅干しで一式
以前、和歌山県の梅干しを製造しています会社がニューヨークで製品を展示するときに依頼されまして、前菜からデザートまでを梅干しを使い作りました。そのときの前菜です。
基本的に梅干しはそのまま料理に加工しても酸味、塩気が強くなかなか使いこなせませんが、その料理料理により酸味、塩気を加減して抜き、鰹節、甘味、醤油等を加えて味を調えて使えば右手前にあるような「氷室梅」、金箔とともにゼラチンで固めた物。また、種を取り除いてつぶし、 揚げたバナナに射込んだ左手前の「梅射込み」この時、梅を固めるときはペクチンを使うと簡単に固まります、寒天やゼラチンではなかなかか難しいです。中央上にあるのは、のし梅に仕立て、百合根を雪に見立てて掛けてあります。全て酸味と塩気は程よく取り去り、各々味を調節してあります。周りに散らしてある梅煎餅は梅干しそのものをちぎって、上新粉に混ぜ、練り込んで、蒸してから煎餅に仕上げた物です。
 3、鯛昆布〆、葱味噌添え
鯛を昆布締め(昆布は少し多めの酢を浸した布巾で拭く)にしまして薄造りにします。葱味噌ですが、こちらは“リーク”と言いまして日本の葱よりも香りが強く、ガーリックのような風味がするのでガーリックを直接すり卸していれたくない場合、でも何となく香りが欲しいと思うとき等はリークを使いますとぴったり合います。また白髪葱にしてから揚げても香ばしく、良いアクセントになります。今回は葱味噌なので、東京葱とリークを良く摺り合わせまして西京味噌を練り込んだ中に混ぜ、淡白な胡麻油、山葵オイルを落として味を調え、焼酎に漬け込んだ枸子の実を添えました。
中央の野菜は ウド、シシトウ等を山葵風味の自家製ソースで洗って添えました。刺身を醤油から少し離して見るとなかなか面白い仕事があります、沖縄の与那国島辺ではカジキ鮪を味噌で食べるとか?次回は光り物(アジ、サバ)等に合う味噌を紹介したいと思います
 4、鰺ぬた 刺身
まず前回に続き味噌で生魚を勧める。今回は光り物にあうと思う味噌を紹介してみます、まず料理の名前ですが、日本人の方々から見ると、こんな料理の名前は、まず適当な料理の名前となるでしょうが、日本の食文化を知らない方々に私どもが造りましたオリジナルな料理をどうトライしてもらうかは、まずメニューを読んだ時、理解してもらうことが一番だと思い、“ぬた”表示しても理解出来ないと思い“刺身”を付け加えたのです、サシミはジャパーニーズレストランに来る方は殆どのかた理解します。
鰺は、常の通り軽く塩をしまして、酢で〆てあります、味噌ですが、光り物は好まない人が多いので(特に日本人以外は)その独特の臭みを少しでも和らげるよう諸味噌を使いました、諸味噌に白と桜味噌を加えて味を調え、ぬたと表示してありますので辛子を加えてアクセントを出しました。若布、白髪葱を添えてありますが、合せた味噌は若布の下にサプライズとしてあまり目立たないよう置いてあります。料理の名前はおかしいですけれど、日本人にもお勧め!
 5、蟹甲羅鍋
ダンジネスクラブ は年中活け物が手に入ります.サイズが大きく甲羅がしっかりした蟹なのでアペタイザーで使用するには十分な大きさですので鍋仕立てにしました、キングクラブのように足肉が多くないので、かき出して、卵白が多めのしん薯地で団子のように寄せました.しん薯地を多く使うと折角の蟹の味が負けますので可能なかぎり少ない方が良いです、既製品のすり身でなく、白身魚の手葛をつぶした方が癖が無く蟹の味が引き立ちます。出汁には少しのナンプラーを加えますと味が引き締まるような気がします。
昔の仕事になりますけど、総合写真集のページ142)に、この甲羅を返して器代わりに使用した料理がありますので参考にして下さい、「甲羅返し」と言いまして昔は良く使いました.現在はあまり見たことがありませんが……

 6、サーモン タルタル
昨年の12月に更新したときに、サーモンの寿司の件を取り上げましたが、今回はそのサーモンをタルタルのように仕立てクルセルで形を作り、上には大根を鬼卸しで卸した物を、酢漬けにして置き、イクラを散らしました。
スープですが、かつお節の出汁ではまったく合いませんので、鶏のスープを使いました、しかし鶏の味があまり表に出ないよう、すっきりとした味に仕上げないと味のバランスが 崩れます。アクセントに山葵オイルを落としてあります。
総合写真集のページ「78」に盛り付け方の違うにたような料理がありますので参考にして下さい。
以前は寿司で一番売れたのが「鮪」ここ3〜4年で見事に逆転しまして、サーモンが断然一番です。

 7、水貝
“水貝”ミズガイ、水の中にアワビを入れた「単純で面白くないない」料理ですがこの料理の意味は深いものがあると思います。
簡単に説明しますと千年以上前、磐 鹿六雁命(イワカムツカリノミコト)が第十二代景行(ケイコウ)天皇が伊勢の国から東海を経て、はるばる上総の国に入られた時、蛤を拾われ(一説にはアワビともある)これをお側にいた磐鹿六雁命がこの蛤を鱠(ナマス)にして奉った。(日本書紀より)天皇は大変喜ばれ…、これが我が国最初の日本料理ではないかと伝えられている。鱠と云いますが、蛤を剥いて海水で洗っただけの代物だと思います。舌を噛みそうな名前の方が現在の皇室の食事を担当する、我が国最初の(天皇の料理番)方です。
この水貝もこの歴史を踏まえて先達が考えた料理じゃないかと思いますが、最近はこの料理が出てくると、ポン酢を添えたり、三杯酢を添えたり、ひどいときは山葵醤油を一緒に出したり… この料理は海水の塩味で食すものなのです。料理に携わる方々はこの辺の事を考えながら作り出してほしいものです、しかし料理を出した後に、お客さまから酢、醤油を…といわれましたら即出しますように、お金を払うのはお客さまですから…
この辺の日本料理の歴史で詳しく知りたい方は「 料理人の写真集ページ」よりメールをくだされば詳しい内容をお送りします。
 8、ひまわり揚げ
『仕事が遊び心で出来る。プロの料理は遊びでは困るが、料理は忙しい中にも、作る楽しさと遊び心の余裕がほしい。料理はいくら美しく芸術的であっても食べられて形を残すことができない。食べる前のほんのひと時、目でも味わう。料理は彩りの美しさと共に品格が なければならない。それには作り手の真剣な遊び心が大切である』。
四条流十二世家元、日本料理研究会名誉師範、山下茂 。
このようなことを、以前料理の本で読んだ覚えがあります。この文章にはほど遠いと思いますが、オリジナルの料理の中にこんなものがあったのを思い出しました、尼鯛を粗くつぶし、中心にヒマワリの種を付け、その外側には、トウモロコシをまぶしてヒマワリに見立てました。獅子唐は茎、大葉は葉、赤ピーマンで太陽を表したつもりですが…もう10年以上前に作ったものですが、デジカメが手に入りましてからもう一度スペシャル料理で出した事がある一皿です。氷彫刻などは、まさにその通りだと思います。
 9、松茸カンパニョーラ
秋になりますと日本料理の食材(野菜)の中で唯一、人工栽培ができないものの一つに揚げられ 、これを料理に取り入れますと毎年、正真正銘の“旬”が感じられます。毎年の事なので,焼き松茸・土瓶蒸し等も良いとは思いますが,最近は少しひねくれまして、写真のような料理や,また今年はこんな単純な料理法ですが何となく新鮮味があるような盛り付けをした料理(総合写真集参照)を勧めてみました。今回の一押しはイタリや料理からヒントを得まして,松茸の天麩羅をオリーブオイル(極上物)でホワイトバルサミコとともソースを作り,松茸の香りを消さぬよう癖のない野菜,赤かぶ,ズキニー等を添えてみました。天麩羅にオリーブオイル見ただけではしつこそうですが,以外とサッパリしていて,天麩羅独特の食感も結構長もちしますのでビックリです。ただしオリーブオイルだけは原価を惜しまず良いものを使う事をお薦めします。
 10、唐墨いろいろ
今回は自分で作りました唐墨で色々なオリジナル料理を紹介します。唐墨を作るときは人それぞれ独特の作り方があると思いますが,難しい事は最終的に塩加減が決め手になると思います?.それから生臭さが残る物もいやですネ、最初作り始めた頃はこの生臭さが残りましたが5〜6年程続けて作りましてようやく既製品(既製品は少し塩辛いですが)と肩を並べるぐらいの味になったと自負しております。
上にある寿司ですが 寿司ネタに切りましてから半日程、粕漬けにしましてサット炙り、握った物です。中央左は旬の鮃の縁皮で挟み、オーブンで焼いた物ですがこれがなかなか唐墨と良く合うのを知りました。右側は唐墨を薄く切り桂大根で鳴戸巻きにしました。下はポピラーな炙り唐墨です。

 11、納豆チャーハン
「料理は忙しい中にも、作る楽しさと遊び心の余裕がほしい。料理はいくら美しく芸術的であっても食べられて形を残すことができない。食べる前のほんのひと時…」とありますが、今回はこのようなこととは少しかけ離れているとは思いますがお客様に出す料理とまではいきませんが、私は今までに、何度か従業員の食事として、この納豆チャーハンを作りましたが、納豆はどうしても「臭い」で嫌いのなることが多く、また火を入れることによりその臭いはいっそう刺激的になります。しかしこのチャーハンは少しなら納豆が食べられるという方なら好きになれそうな代物なのです。水戸の名物「納豆」を海外でも!とにかく納豆は、少し洗いヌメリを取り去り、少し醤油を多めに、紫蘇の実漬けをよく絞り、たっぷり入れることがコツだと思います、是非一度“従食”としてトライしてみては、納豆の好きな方はやみつきになりますヨ!

 12 重ね数の子

いつの正月ですかは、思い出しませんが写真を整理しておりましたら、目に付きましたので掲載した見ました。(私が撮った写真の中では偶然にも自分で気に入ってる写真なのです、料理そのものは,たいしたことはございません)
たしか材料は、鮃、鯛を昆布締めにし、数の子は都子漬け(煮切り酒と出汁に、少しの薄口醤油、少し多めの塩を加えて味を調えた漬け汁。色が付かず醤油につけた“万年漬け”とは違い色を付けずきれいに仕上げる)とを重ねました。
天盛りには、ウドで作りました梅花の酢漬けを置いてあります。

 




 

 

 



 

 

 

 

 13 おこげ 餡掛け
おこげを作りますが、残りました御飯でも大丈夫です。アルミ泊に油を塗り御飯を薄く広げ、オーブンで少し乾かしてから天日に干しますと短時間で乾かす事が出来ます。それを190度位の高温の油でカラット揚げてから使いますが、それでは香ばしさがないので料理人は焼いてみました、しかし簡単にバーナーやガス火では炙らないで下さい、これはせっかくの“おこげ”がだいなしになります。良くテレビ等でこの手を使っておりますが、これらは見た目は焼いたように見え、見栄えは良いのですが、焼いたと云う、香りの点ではマイナス要素です(動作もかっこ良い)。
必ず炙らないで、じっくりと強火の遠火で焼いておこげの香りを出すと旨いです。蟹と三ツ葉で餡を作り、絞り生姜を少し多く入れ、白髪葱を置き出来上がりです。コース料理の最後に使いました。

 

14 蕎麦膾(そばなます)
今回は夏向きのオリジナル一皿。タイトルを難しそうな漢字で書いてみましたが、最近では、そばサラダとかの名前で勧めているようですが、あえて「なます」と言う料理名で5、6年前に作った一品です。所で、「なます」ですが漢字で書くと「鱠」と「膾」がありますが膾は、主に魚介類を食材として使用した場合。膾は、主に野菜類を食材とした場合に用いられるようです。子供の頃から、母親が正月になると何時も「ナマス」と言う物を作っていましたが、ナマスと呼ぶ物は野菜を酢に漬け込んだ物だと、この仕事に携わっても思い続けておりましたが、この仕事に携わって色々と勉強させてもらい、現在の刺身の原型になるもので、上記のような違いがあると云うことが恥ずかしい話、つい10年ほど前に理解することができました。これも色々と勉強していなければ
知らないで終わりです。
蕎麦粉が簡単に手に入りますので、100% 蕎麦粉で「紐かわ」風に打ってみました。味は加減酢で少し醤油を落した方が蕎麦には合うと思います。

 

 
 

          15 牛乳の酥(そ)
今回は、また少し古い話が出てきますが、牛乳の酥について自分が勝手に判断したことを元に、作り出してみました。    
*(孝徳天皇(645〜655年)の代に、唐から使臣が大和朝廷に「酥(そ)」なるものを献上した。
奈良時代と平安時代に、朝廷は、直轄の牛の牧場を設けると共に、諸国に命じ、税として乳製品を納めさせた)古い文献にあります、また、牛乳を長時間、煮詰めて固めた「蘇」は薬として珍重され、奈良・平安時代には全国から天皇に献上されていたという。十世紀に著された日本最古の医学書「医心方」には体を強くし、皮膚を美しくする効果があると書かれている。色々な料理の本を読んでいたところ、インドに「ギー」なる物があってそれに良く似た物ではないかと云うことを知り、インドに知り合いがおりましたので、そのものを手に入れました。インドでは「ghee」なる物はどこの家庭にも必ずあり、日本人が醤油を使うと同じように使うと云うことです。一種のバターですが、もう少し透明感があり黄白色で、すっきりした味です。インドの料理文化と日本の料理文化は他にも私の知っていることではつながりがあり、寿司シャリの「舍利」の語源もインドのからの物を取り入れていますし、話は少しずれますが、「アチャラ漬」等はそのままの言葉、料理法が、インドネシアにあります。少し深く知ろうと思いますと、色々と興味が出てくることばかりです。

      16 牛タン塩焼き りんごソース
今回は、若い人たちが考えた一品を選んでみました、牛タンと言えば欧米人は殆どの人が食べたがらないと思い(私自身)、材料名はParts of Beef として説明をするように徹底してサービスをした所、なんとビックリ100%の人が残さず食べられたことには感心しました。やはり食べ物は最初のイメージが大事で、きれいに盛りつけてあるか、食材の説明でもしっかりした英語で説明できるかできないで売れ行きは違うと思います?
牛舌と説明しては誰もがあのデカイ舌のイメージを思い浮かべたら特にこちらでは、ほとんどの人が食べないと思います?
塩焼きにした後でりんごの摺りおろして、ソースを作り、山葵を添えてあります。こちらでは非常に安く仕入れることが出来ますので少し手を加えますと一品としてサービスが出来ます。

          17 鱗 飴煮
今回は、前菜に盛りつけた一部を切りとり取り上げてみました。(写真参照

魚の鱗は何時も捨てていますがそれをなんとか使えないかと考えた末の結果ですが、ちょいちょい剥き物の一部(良く乾燥させて花びらに見せる)に昔から取り入れられた物ですがその乾燥させた物をカラッと揚げて、おせち料理の「田作り」を作る要領でからめてみた物です。日持ちが良いし少しまとめて作っても十分保存がききます。包丁人生40年の始めに書きましたように昔は廃物利用等の料理に関して名を上げた日本料理研究会師範、矢橋豊三郎先生の講習会等良く出向き、人参の皮でカステラ等を作り、また今では家庭でも少し料理の好きな方は造るでしょうが、大根の皮のキンピラ等、当時はなるほどと思いながら講習を受けた覚えがあります。最近ではこのような物を使い、料金をいただく事が中々難しくなる雰囲気ですが、以前はもちろん賞味期限等ありませんでしたから、少し古くなった物はこのようにして料理をするとか教えられ、まず捨てる事はなかったような気がしますがしかし今はこのような事も、料理を深く知らない人間がダメだの、イヤダだのと言い、使おうとしませんが(使いこなせない?)、そのような物を十分使いこなし、旨い物を造り出す、これが“プロ”ではないでしょうか? とびきり良い材料を使い売値を高くして一流と、食べ物を造り出す事はこんな楽しみだけではないと思います。
     

        18 細魚 梅琥珀
今回は、春先に向けての一品、細魚は、軽く塩をしてから酢洗い(酢に浸さない方が味がマイルドに仕上がる)しておきます。別に煎り酒を作り、紀州梅を塩抜きしてから少しの甘みと共に含めた紀州梅の果肉だけを取り出し、完全につぶしたものと叩いた物を煎り酒を使い流し缶に寄せて短冊状に切り出し鞍掛けにしました。煎り酒の当たりがあまり強いと食べずらくなると思うので?少し軽い味に仕立てた方が無難です。
また、それだけでは細魚に味が載りませんので普通の煎り酒を少し細魚に掛けておくと十分味が載ります。見た目が非常に春らしいのでお勧めです。

        19 菜の花納豆和え
今回は、前回の写真集で紹介した菜の花の和え物を作るとき、下味の付け方で少し変わった方法を紹介したいと思います。
菜の花での和え物は沢山ありますが殆どの方は出し汁で下味を付けるのでしょうが?私がこの仕事に初めて携わった時の親方は必ずこのような方法で下味を付けていました。当時としては卵がまだ高価な時なので非常に贅沢だと思いました。「少し濃い味の卵豆腐を作り、それを荒くつぶしてガーゼを使い直接卵豆腐が菜の花に付かないようにして一晩寝かせて下味を付けていました。私は今でもこの方法を取り入れています、出汁で下味を付けると、どうしても出し汁の香り味が出てきますので何か邪魔な味がするように感じられますが、この方法ですとマイルドな味で何で下味を付けたかわからないように感じられて、尚かつしっかりした下味が付いているのがわかります。

       20 とろ三色巻き
今回は、日本でも使われている畜養の本マグロ(こちらは本マグロをBlue fin Tunaと呼んでいる)、今から10年前位になるでしょうか?これらはアメリカの市場の方が早く流通したと思います、なぜなら日本に送り出しても買う人がいないから(この当時は養殖独特の臭いがありとても料理として出せる物ではなかった)天然物より油の載りが良いというよりも油だらけの本マグロと云った方が良いぐらいでした。それから三、四年が過ぎてからだいぶ養殖技術が改良され、味もだいぶ落ち着くようになりましたが、脂が強いせいか天然のマグロの味を理解している人達は、まだまだ馴染めない味ではないかと思います?最近では色々な地域で養殖していますが、品質はスペインの畜養が最高だと思います。他かの地域ではまだ脂臭い、色変わりが激しい等の欠点があります。
写真は、その畜養の大トロを日本人でも抵抗なく食べられるように仕上げた物です。納豆と葱、黄身卸し(大根おろしに黄身を混ぜたもの)、野菜巻き(繊切りの野菜や貝割れ大根)、の三種類それぞれに巻いて、あまりにしつこい脂の味を和らげた物です。しかしこちらの人達は大トロと言えば畜養でなければダメ!以前は天然の本マグロはなかな手に入らないし、値段もたかかったので手軽にこちらでは食べれなかった(日本でもそうでしょうが)寿司がブームになると同時に畜養が出回るようになり、味も畜養が“本マグロの大トロ”なんです。我々がなんと説明しようが、食べる本人が旨いと感じた方に高いお金を払うんです!余談ですが、今は殆どお目にかかれませんが、俺たちが子供の頃はマグロの刺身には必ず大根おろしを添えた事、私の実家では私に記憶にもありますがマグロの刺身には何時も大根おろしを添えて出していました。

          21 鰹 料理色々              
鰹の時期がきました。今回は今までの鰹料理の中から数種類を載せてみました。
鰹も鮪等とは違い、一度包丁を入れますとなるべくその日に使ってしまわないと翌日は生で使う事に抵抗を感じますので……しかしこれらの種類を頭に入れておく事で、材料の変化を見ながら全てが無駄なく使いこなせると思いますので 少しは役に立つと思います?
左の写真は、炙りました鰹にグレープフルーツのスライスを敷き、絞り汁をバルサミコ(ホワイト)の酸味を抜きワインを入れてジュレにして掛けてあります、これだけで味が物足りないと思い割りポン酢を添えました。(洋風たたき)ですが少し雰囲気を変えて各色のピーマン、玉葱、チャイブ等をオリーブオイル、米酢等で味を調えソースとして掛けてあります。(千草和え)ですがこれは次の日でも勧められると思います?鰹は最初にポン酢でサット洗い、オリーブオイルと米酢のソースを掛け、大葉の繊切りと打ち込み野菜をたっぷりと掛けてありますので、少しの色の変化はカバーする事が出来ると思います?(茶葉薫製)ですが私は一斗缶を二つ積み重ねて薫製を作る缶を作ります、薫製用の鍋を買ってもそれほど高い物ではないのですが、これが使い勝手がいいので……この料理は作り立てがもちろん良いのですが三日位はどうにかと思います?茶葉で薫製ですがチャイナタウンが近いのでウーロン茶でと思い買いに行きましたが、これらの茶葉も日本の茶葉と同じピンキリがある事にビックリしました、高い物は日本の物に負けない値段がありました。私は少し安い物を選びましたが香りはいまいちでした。チャンスがあったら「ほうじ茶」等で作ってみたいです、ソースは若い人向け、また国外なのでマヨーネーズをベースにしたソースを造りました。それから最後にどうしても色が変化した場合の使い方として(お茶漬け)を勧めます、この写真は切り身そのままの写真で失敗ですが、必ずサイコロ状に包丁する事、濃いめの味で山椒煮として茗荷等を薬味として勧めてみました。
最後に(油焼き)この写真はアイナメで作りました物ですが鰹も同じ要領で、高温の油をかける事により、また火で炙った物とは違う旨味がでてきます。その日の内に刺身を処分したいと思えば、グレープフルーツのジュレ掛け等は、この油焼きと平行して、油で焼いたものをジュレ掛けに使っても味には問題が出ませんので同じ方法で仕込んだ鰹を二品にして売りますと、一品よりは早くさばけると思います?
この油焼きをオイル等を使ったソースの料理に使うと、チョッと味がしつこくなると思います。
もし、 戻り鰹までの時期には色々とチャンスがでてくるでしょうから是非試して自分なりに良いと思う方向へ作り方を変え、自分のオリジナル料理にしてください。

     
22 米身(よねみ) 鮃の縁皮

鮃、縁皮の使い方。米身と書いて“よねみ”と読んでます.火を入れて“ばらし”ますと米粒と同じようになるところから名前がついたのだと思います。
アメリカで仕事をして気がついた事ですが、日本では当たり前の事が通用しない事が例をあげたらきりがない程あると思います? その中の一つですが鮃の縁皮、こちらに来るまでは気がつきませんでしたが、食べてみると結構“ゴリゴリ”した食感がありますが、日本ではこれがたまらないから食べていると思いますが、殆どの現地の人達は敬遠します。注文があるまで待ちますと、沢山の縁皮が無駄になり、そこで考えた事は、炙ってその“ゴリゴリ”した食感をけしてしまえばと思いこのように、日本の寿司屋さんの仕事を取り入れまして出したところ以前よりは食べるようになったと思います。とにかく火を通したならば全ての縁皮を使った料理が脂がのっていますのでおいしく食べらられると思い何種類かの仕事をしましたので紹介します。
唐墨も炙ると味が出ますので、炙った縁皮と合わせた物がこれです(左中央)、唐墨は自家製です。大葉を使った「まりも揚げ」「縁皮と筍の山椒焼き」、また写真はないのですが、米身だけで煮凍りにしますと米粒で煮凍りを作ったように思われ面白いです。アメリカでは鮃の旬は夏だと聞いていますが??日本では「3月鮃は犬も食わない」「夏鮃は猫も食わない」と聞いていましたが……鮃の産卵期が春ですから、アメリカでは禁漁になるので旬ではないと言っているのでしょう?旬と呼ぶにも三種類あるらしく『最も美味しい時期』が本来の旬。『量的に一番とれる時期』初鰹、土用丑の日のように旬でないのにその時期を『旬だと思い込ませている』ものです。

 

       23 紅葉の色付け

左の前菜にあります「紅葉の枯れ葉」ですがこの作り方は、昔でも現在でもなかなか知り得る事が出来ない、大変貴重な作り方ではないかと自分では思っております。私ども、デザートにフルーツを乾燥させた物を良く作っておりました。
ある時若い者達と仕事の話をしている時に「昔は玉葱の皮を染め物に使っていた時代があったらしい?」と、料理の世界でも、半熟卵等ヒビを入れてもう一度玉葱の皮を使い軽く茹でてそのままにしておいて、後で皮を剥くとヒビの線が模様となり、何だろうと思うようなゆで卵、半熟卵を作った覚えがある。と話をしたところ、大根を紅葉の型に抜いて、玉葱の皮を入れて茹でながら色付けし、後に砂糖を少し振りかけ二〜三日掛けて干し、見事な紅葉の枯れ葉を作り上げたのには感心しました。
今まだに 見た事も聞いた事もない仕事を二十歳そこそこの経験の浅い若い者が作り上げたのです。
今時、出入りしている人材に失望している時、期待出来る若い人材だと思っておりましたが 、チョッとした事で私のもとを去りました。

我々の仕事は、常に何か新しいものを見出し、自分のオリジナルにする事で仕事に張り合いが出てくる事は間違いないのです、日本料理の伝統を忘れず常に挑戦する、偶然にも今までに見た事も、聞いた事もない物が出来た時、これに勝る満足感を味わう事は他にないのではないかと思い、この仕事からなかなか離れる事が出来ないのです。


               24 日本料理とフルーツ
トロピカル風な料理には必ず多種多様なフルーツが使われていますが、日本も以前に比べたら世界中のフルーツ手に入れる事が出来るし、私の地元でも手軽に求める事が出来ますの日本料理でも怖がらずに色々なフルーツを日本料理(デザート以外)として出せるようアレンジする事には以前から興味がありましたので、何種類か取りあげてみたいと思います。しかし我々の世代(50歳〜以上)はフルーツを料理する事に抵抗を感じる人も少なく無いようですが……、フルーツは料理をする事により本来のフレッシュフルーツの甘味が、悪く表現するならば“くどい甘み(すっきりした甘みではない)”に変化する事ではないかと思う。しかしこの甘みをどのようにして日本の食材と合わせるかを考えれば、それほど怖がる事ではないかと思います?左の写真は、「先付け」として出した物ですが(とにかく出汁等は使わないでください)、炭酸類を使いゼラチンで寄せてあります。(スプライト、ジンジャエール、フルーツリキュール、コンソメ等使用)私もこれから色々とフルーツを使う料理に挑戦したいと思っておりますので、先日も新宿まで出向いてフルーツの料理を取り揃えてあるというので行ってみましたが、フルーツそのものを料理に入れたり、載せたりしているだけで少しがっかりしましたが……日本料理でも昔からある程度のフルーツは取り入れておりますが限られていました。少し例を挙げてみました。柿の白扇揚げと白和え無花果(イチジク)の田楽柿水晶寄せキウイ白和えパパイヤシーフード焼き・無花果白酢掛け。これからはもっとトロピカルなフルーツに挑戦して、また掲載しますから宜しく。

             25 日本料理とフルーツ #2
コンピュータに保存してある自分の料理写真をめくっていましたら、前回掲載しました日本料理にフルーツを使いましたレシピーがまた出てきましたので、説明と写真を掲載してみました。

*左写真は、前菜ですが、右上から三つ目のところに盛りつけてあります物、下の段はバナナとココアを寄せ、上段にパパイヤと少しのクリームチーズを合わせた物をはがれないように(バナナとパパイヤが)流し込み、固まりましたら生ハムを巻いて仕上げました。 *この写真は、キウイをホワイトバルサミコで味を調え山芋の寄せた物、パパイヤの寄せた物に敷いて使ってあります。  *この写真は湯引きした鱧をアプリコットのソースで勧めてみた物です、アプリコットは最初に白ワインで火を通し、柔らかくしてからフードプロセッサーでつぶして味を調えてあります。(魚ですので米酢を使いました)    *この写真は、苺をソースにした物です、ホワイトアスパラとグリーンアスパラで酒蒸しをした舌鮃を博多にしてあります、苺により甘みのある物、酸味が強いものと別れますが、それぞれに同じくバルサミコで味を調えてあります、もちろんヨーグルトや少しの甘味、塩等も使っております。    *この写真は、山芋を繊切りにして、生ハムと博多(ミルフィーユ)に仕立て、パパイヤのソースをかけた物です.フルーツには米酢は合いません.バルサミコも必ずホワイトです、酸味は火を入れる事によりいかなようにでも調節出来ますので、色々と試してみてください。

     
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日本料理とデザート
日本料理のデザート。もちろん私がこの道に入りました頃は日本料理においては、デザートという言葉は聞いた覚えがありませし、そのような習慣もありませんでした。時おり献立に“果物”“水菓子”と書かれておりました事を思い出します、私も献立に“水菓子”と書く事がありますのが、昨今我々の年代の方でも「水の、お菓子」をすんなりと理解してくださる方が少なくなりましたが、私は、粋な詞ではないかと今でも使っています。さて本題に入りますが、イソフラボンが健康食と大豆商品でデザートと色々工夫していますが、私は、1980年に渡米した時には豆乳でデザートをと考えまして、当時SAN DIEGO UNION記事と写真が載りまして、それからおおよそ20年近くが過ぎ、今から6〜7年前に豆乳をベースにしたデザートがようやく二品程商品化する事が出来、献立に加えていました。日本でもその当時、豆乳がブームになり色々なデザートに「豆乳入り」と表示しているデザートが出回っていましたが、残念な事に豆乳の味がする物には一度も出会った事が無かったのです。左写真は、豆乳をベースにして作りましたデザートですが、豆乳=豆腐ですからもちろん豆腐の味です、豆腐+チーズで「焼きチーズ豆腐」と献立名を付けて出した物ですが、これは豆乳から作った物と誰もが分かる商品で、豆腐の味を理解出来る日本人の方には、「旨い」と言わせる事が出来たのですが、豆腐の味を知らない現地の方々には、チーズケーキの味がボケたような感覚なんでしょうか?イマイチでした。しかし日本でのデザートとしては、チーズケーキの味、豆腐の味と面白いデザートとなると今でも思っています。粉類は一切使っておりませんので、ケーキ職人が作る物とは完全に別な味になっているのが面白い。私にケーキを作れと云われてもチンプンカンプンで判らないのが幸いして出来た物と思っております?デザートのレシピーが少ない、日本料理を目指している方、デザートも大事な献立の一品になっていますのでとにかく……Try Try

             27 水仙(すいせん)仕事
水仙という字は、日本料理の当て字であり、水繊・水煎とかくのが正しいようです。水仙仕事とは判り易く言うと、葛きりを作る過程で、葛を流し缶等に薄く流して湯煎いかけ、透明な柔らかい板状の物を作る事と理解しています。日本では今でも葛切りを“葛切り水繊”等と商品名を書いて販売している物も時たま見かけます、簡単に考えると葛切り=水繊。もう一方の“水煎”は台湾等で使われている商品名「水煎包」が有名らしく、これは小麦から作られた皮で物を包んで蒸したり焼いたりする物だと聞いております。その様な事で今までにいくつかそれらをヒントに作り出した物を紹介します。
トマト水仙=これは、トマトの絞り汁で葛粉を溶き流し固めてから包丁した物です、奥の物は、アスパラに白玉を付けて茹でたもの、夏にはうってつけの一品だと思います。ソースは胡麻ドレッシングをベースに三杯酢で味を調えました。
同じ要領で抹茶水仙=これはデザートですので黒蜜を添えて出しました、奥にあるゆで卵のような物?現物を見てもゆで卵にしか見えませんがデザートの食材が無い時に、栗の甘露煮がありましたので急きょ白玉を周りに付けて茹で上げ切ってみたところゆで卵に見えたので、面白く夏になると時たまデザートに使ってます、抹茶水仙ですが、抹茶の味が強い方が良いと思い少し多めに入れたところキツイ色になりました!
次は前菜に使った物ですが慈姑水仙を作り(右端)、枝豆の潰した物を鳴門に巻き込みました。
胡麻のペーストを葛と一緒に流し固めた物で、胡麻水仙を作り生雲丹を包んで山葵醤油で勧めたもの、これは後で気がつきましたが、「山葵水仙にした方が良いな」 と思いつつまだ試していません.夏が来たらまた挑戦してみます。

              28 梅
梅のシーズンまっただ中なので少し梅の料理を取りあげてみます。以前「一押しメニュー#2」で梅料理を出しましたが今回は、梅干しを煮梅に仕立てながらの料理を二三取りあげてみます.まず煮梅ですが、それぞれの料理内容で塩抜き、酸味を抜く度合いを替える事が非常に大事な事です。
左の写真は、初夏の吸い物代わりに使える物(冷製)ですが、重湯を生米から造り塩で味を整えて、梅雨に入りますので酸味を程よく残すのがコツだと思います、吸い口には水山葵を使いました。
この前菜
ですが写真奥にありますのが、少し甘めに煮含めた煮梅に抹茶を入れた薯蕷を掛けゼラチンで止めた物です.
この写真は、煮梅を白扇揚げに仕立てた物です、下に敷いてある梅の煎餅は、上新粉に梅をちぎって練り込み、煎餅にしました。
次は小付けに使いました、土佐煮です、酸味を塩気もある程度残し、土佐煮に仕立てた物ですが、天盛りになっている物は梅干しの種を割り中に入っている実を集め焼酎に長らく漬け込んだ物です.今の時期なら献立に色々と加える事が出来ると思います?一押しメニューの前菜も参考にして試してみては?ちなみにこれらの煮梅でデザートのソースを作る事も可能です。写真を出そうと思い、拾い出したが色合いが鮮明に撮れていないので止めました。

              29 蕎麦粉

そろそろ蕎麦の旬がやってきますね、蕎麦粉は春と秋、二回程収穫期がありますが、なんとなく新蕎麦と言うと秋を思い浮かべます。
今回は、蕎麦粉を使った料理を「先付け」から「デザート」まで、自分のオリジナルから説明してみます。まず左の写真ですが、「小付け」として出した物です、トリフとの組み合わせですが、どちらも香りを重んじる食材を組み合わせて何となく間違いのような気もするのですが、トリフの香りは食べる前に感じる物、蕎麦の香りは食べながら感じる物と思い、組み合わせました。ソースはベシャメルソースの要領でトリフジュースを使いました、パーメジャンチーズを焼いて添えてあります。相鴨の蕎麦巻きは蕎麦粉で薄焼きを作り、塩蒸しをした相鴨と長ネギを胡麻油をまぶした物を巻いたもの。蕎麦膾は蕎麦を打つ要領で紐皮に仕立て野菜と共にバルサミコ(白)でサラダ風にしました、詳しくはこちら#14。蕎麦粉で鍋物にトライしてみました、蕎麦掻きを作る要領で一口の団子にし、百合根、菊花と共に沢煮仕立てにしました.
筍蕎麦ですが、筍を桂に剥き軽く含ませ、蕎麦粉に抹茶を加え桂剥きの筍にまぶし、と言うより筍が乾かないうちに蕎麦粉の中で混ぜ合わせ(この場合小麦粉を混ぜないと思うように付ける事が出来ないと思います?)、湯取りました。

 

             30 ソフトシェルクラブ(soft shell crab)
今回は、日本でも最近出回っているので、ソフトシェルクラブを取り上げてみました、殆どが冷凍で、蟹の種類が違う物ですが、我々がアメリカで使っていた物は、活け物の「ブルークラブシェル」と呼ぶ蟹の脱皮した物ですが、日本に出回っている物は殆どが違うようです。最近は冷凍技術が良くなり物によっては区別がつかない物も出て来ていますが、こればかりは冷凍ですと区別が簡単につきます。
左写真は、唐揚げにしてから、イタリアン風にカンパニョーラに仕立てた物です、オリーブオイルとバルサミコ酢で味を整えてカラーピーマンとズキニー等の野菜と共にソースにしました、バルサミコは白を使っています。次は中華風にアレンジしたものですが、これは唐揚げにせずフライパンで良く焼いてから、オイスターソース、テンメンジャン、等で味を付けた物です.唐揚げにしてから油抜きをし、桂大根で巻いてそれぞれ南蛮漬け砧煮にした物です、砧煮は味噌仕立てとし、胡麻、七味唐辛子、少しのガーリックを隠しに入れました。
 

 

             31 柿 色々
ーズンを過ぎてしまいましたが、柿の料理を取りあげてみようと思います。フルーツの中では、柿は日本料理で一番幅広く使える食材である事には間違いないとおもいます。まず、前菜ではワインを使い寄せもの等に出来ます。これは海老しん薯で柿の実に見立てた物です。柿は葛粉をまぶして揚げても甘みが出て美味しく食べられます、百合根、しめじ等と共に胡麻味噌を添えて勧めても十分喜ばれます。他に和え物も何種類か作る事が出来ます、白和え(右側,左側にある物は揚げて胡麻味噌を添えたもの)。白酢和え(左写真)。拍子木に切った柿に葛粉をまぶして揚げて胡麻味噌だけであえて進める。膾風にし、柿の釜に盛りつけると少し見栄えがする。これらの料理は、まあ、無難な柿の加工方法だと私は思っております、柿を揚げて食べる等嫌だという方もいましょうが,食べてみると以外に旨いので、是非試してください!後はデザートです、あんぽ柿の中をくり抜きフルーツを射込んで、クリームを敷いて盛りつけ、回りにフルーツのソースを飾っています。干し柿は、色々とデザートに使えます。

 

              32 ロブスター料理
ロブスター料理を取りあげてみます、ニューヨークでは私は何時もチャイナタウンまで行って買いました。日本ではオマール等と洒落た名前を使っていますが私どもはロブスターと言いポピラーな値段で手に入りますので気軽に贅沢に使っていました。海老と同じ感覚で使えるので、焼き、揚げる、煮る、蒸す等何にでも使え、冷蔵庫で生きたまま3日位は十分もちますので重宝しました、しかし日本は高い値段を付けています、先日もホテルで注文したところ500gサイズ半分で4000円以上の値段がついてました、今まで大衆魚と一緒に扱っていたから少々驚きました。まず始めに*雲丹味噌焼き。練り味噌に雲丹を混ぜ込み塗り付けて焼きました。 *砧巻き。酒塩であおり桂大根を酢取った物で巻きキャビアを天に置きました。*ロブスター丸蒸し.ロブスターをサット蒸し、きのこ、白菜と共にチャイニーズ風に味付けした物。*ロブスターサラダ.身を取り出して酒塩でさっとあをりアボカドを漉してレモン塩、砂糖、クリームチーズでソースを作りました、胡瓜は白味噌と諸味で味を調えてあります。*胡麻ソース.胡麻をベースに味噌を加え味を整えてあります、ベイジルの葉をオリーブオイルを加え潰した物を添えてます。*ロブスター羽二重蒸し。豆腐と卵白で羽二重地を作り蒸してポン酢で勧めました.まだまだ沢山ありますが書くペースがありませんので…… 


             
33 梅干し
梅干しを使った料理、和歌山の梅干しの業者からの依頼でコース料理(前菜からデザートまで)を作りニューヨークで展示したものです、10年以上前になると思います。下の「料理人独り言」に書きましたが、日本で通用しない?デザート?梅干しから作りました、梅の味がするするデザート、見ただけでも酸っぱく感じ唾液が自然に出て来てしまうと思いますが、食べてみると非常に食べ易い物に出来たと思います。梅干しのソースは、酸味と、塩を程よく抜くのがコツでその後、苔モモ(lingonberry.クランベリーより小さいberryの一種)と一緒に梅の味を生かした甘く少し酸味のあるソースに仕上げて、霰糖、粉糖等を振りかけ勧めた物です。一押しメニュー#2にある前菜。煮物の豆腐酢の物の細魚(青梅からソースを作りました)。烏賊を梅を練り上げた物(自分でマイルドに練り上げなければ食えません!)で焼き物、茗荷は梅酢につける.白扇揚げに仕立てたもの。とにかく日本で仕事をしていてもなかなか見られる物ではないと思います、しかし梅干しから喰い味を造り出す事は手間がかかります、料理に合わせて塩分、酸味それぞれどのぐらいに抜いた物を使うかがコツ。

 

             34 蕎麦粉
間もなく旬の秋蕎麦、今回は今までに作りました蕎麦粉の料理を取りあげてみます。先日山形に出向き、老舗の蕎麦屋五代目と蕎麦の基本を勉強させていただき今までは半信半疑で蕎麦粉を扱っていましたが、少し蕎麦粉を扱ううえで自信がついたような気がします、蕎麦も奥が深い!*左の写真は、相鴨を塩蒸しにして、葱の炒めた物と一緒に蕎麦粉でクレープ生地を作り巻いた物、ソースは蕎麦の「かえし」を基本にしてあります。*同じくクレープ生地で蟹足を錦紙卵、海苔と共に巻いて煮物椀に仕上げたもの。*沢煮鍋蕎麦粉はそばがきに仕上げ、菊花、しめじ、笹掻牛蒡、三つ葉などと共に鍋に仕立てたもの。*筍を下煮をし桂に剥いて、蕎麦粉の中に抹茶を加えてサット茹でた筍蕎麦、これは蕎麦粉の種類に気をつけないと、蕎麦状に切った筍に上手に蕎麦粉が付きません。*蕎麦粉を餃子の皮を作る要領で皮を作り、榎、葱、しめじなどを下味を付けた物を包んだ、蕎麦包み。*蕎麦粉でステーキソースを作り細切りにした和牛を蕎麦に見立ててステーキに仕上げました、野菜は彩り良くズキニー、カラーピーマンなどを使いました。全てが蕎麦粉を主に使っていますのでソース類は蕎麦の「かえし」が基本になりますが、先日五代目に色々と勉強させてもらいましたが「さすが本職の蕎麦職人」と思いました、我々和食の人間がコースの最後に蕎麦を出しているのとは、訳が違うと感じた。

             35 秋刀魚

秋刀魚のシーズンまっただ中。今回は秋刀魚を取りあげたいのですが残念ながら秋刀魚の料理は、種類が少ないのです、どうしても仕入れ値が安く、走りの時期は高い値がつきますが脂が今一で味は良くありません。何となく家庭でじゅうぶん口に出来る物ですので、何となくこの食材から遠ざかってしまいます。左の写真と、もう一つ私が何年も前に、京都の「菊の井」で一泊し、瓢亭で食事をし、帰りに「ひつまぶし」に興味がありましたので、名古屋で途中下車して、「ひつまぶし」を食べながら思いついた一品「さんまごはん」を紹介します。左の写真は秋刀魚の腸焼きです、鮎等にも同じ方法で出来ます。秋刀魚を三枚に卸し強味の若狭地にさんまの腸をたっぷり入れて漬け込み軽く天日干しにして焼きました、秋刀魚の腸のほろ苦さがマイルドになってとても美味いと感じた。秋刀魚御飯ですが食べ方は、まるっきりの「ひつまぶし」と同じ方法で召し上がるよう勧めていました、秋刀魚は三枚に卸し小骨を全部とり(これが面倒です)山椒煮にして、腸味噌と共に、緑茶を添えて進めました、腸味噌は、腸に酒をふりかけサット蒸し、味噌に練り込みます。御飯の方はきざみ大葉と煎り胡麻をまぶしてあります。

                     36 アボカド
最近は、何処のスパーでも見られるようになったアボカド、しかし品物を見ると殆どがひどいアボカドばかり!まだまだこの辺でのアボカドの扱い方は、消費者も店側も十分ではないと思われるようなものばかりです?アボカドの扱い方は、なれないと、なかなか難しく決してうまいアボカドが口に入れる事が出来ません.日本の気候にも左右される事は確かで、冷暖房の入った部屋等では、特に難しいのです。手に入れたからと直ぐに冷蔵庫等にしまってしまうと、食べ頃以前のアボカドの場合は、どうしようもないのです。今回はアボカドを使った料理を取りあげてみました。写真は、スキャンピ、日本ではマンゴスチン又はあかざ海老等と呼ばれている物です、アボカドを潰したソースとスキャンピをバターでソテーした物をクレープの生地で蒔いた物です。アボカド豆腐=100%豆乳をにがりだけで本物の豆腐を作る時に色止めしたアボカドを一緒に入れて豆腐にしました。平貝博多=アボカドを潰してソースに仕立て、平貝で博多にしフライパンでサット焼きました.アボカドテリーヌ=蟹のほぐし身をアボカドで丸い形の筒でテリーヌ状に仕立てました。擂り流し=自家製のコンソメで擂り流しに仕立てたもの、すり身にトリフを加えて白梅に仕立てました、既製品のすり身では、独特の香りがあり味も強く、香りを楽しむ料理には向きません。

                     37 鮟 鱇
今月ぐらいで旬が終わる鮟鱇を選んでみました、米国でも鮟鱇(monkfish)はレストランでは好んで使われる食材です、日本と同じ種ですが殆どの物が肝が取り除かれているのが残念です.私が低学年の頃までは実家が魚屋を営んでいましたので親父が何時も鮟鱇をさばいているのを興味深く見ていた覚えがあります。昔の魚屋ですと鮟鱇を売る時は「友酢」が主流でしたが今時なかなかお目にかかれないですね。鮟鱇鍋、どぶ汁は今は、家庭でも主流になっていますが、私がこの仕事に従事した頃は、どぶ汁は料理屋では提供してませんでした、海岸沿いの家庭では食している事を高校時代、大洗に住む友人に聞かされた事があります。さて鮟鱇料理ですが何種類かオリジナルな物を取りあげてみます、左の写真は煮含めた桂大根で巻き、昆布だしでサット焚いた「砧煮」です、餡がかけてありますが、子供の頃からの思い出で鮟鱇と云えば友酢でしたのでどうしても友酢の味が忘れずこれに近いような味の餡になっていますが酢は加えていません。「鮟鱇のトマトソース添え」イタリアンのトマト系のソースに少しの酸味(バルサミコ)を加えてアレンジしたソースで勧めてみました、鮟肝等は塩胡椒でフライパンで焼いてあります。「空揚げ」空揚げにした鮟鱇に、鮟肝を潰したソースを添えてあります。次は「豆乳蒸し」私のホームページの写真は全てがニューヨークとフィラデルフィアで出した料理ですが、この豆乳蒸しもそうです、どうしても生の柚子が手に入らないので、オレンジの釜を使いました、ポン酢で勧めたものです。

   

                     38 穴子
今からが旬の穴子を取りあげてみました。穴子と云えば我々は真穴子を指しますが,最近は何種類かの穴子が加工され市場に出回っています、非常に私自身混乱しています、3年前、帰国した当時スーパーで三陸沖焼き穴子と表示がありましたので,買い求めて自宅で開けてみましたら手触りが違うので裏面を見ましたところ、銀穴子と表示してあったのです、何とか食べようと思い、蒸したり,煮たりしましたが、骨っぽくて不味く、どうしても食べられず捨てた覚えがあります。穴子は江戸前、三陸がよいと云われ、N.Yにいる時も三陸物を使っていましたが,非常に柔らかく美味い物でした。その中の穴子料理をいくつか取りあげてみます。左にある写真は,太刀魚の印籠焼(塩焼)と穴子の印籠焼(照焼き)を一皿で勧めたもの。これは,同じく穴子を丸ごと焼き,中骨を抜いて牛蒡を詰めた印籠煮です。高野豆腐で巻いた穴子を煮含めて、素麺で巻いて美味汁をかけたもの滝川高野煮。次は焼き物で葱を巻いて焼いた根深焼きです。これは、白焼き穴子と野菜を豆乳に卵白を加えた地でオーブンで焼いた豆乳焼きです。次は,さっぱりと三つ葉と焼き穴子を山葵醤油でさっぱりと和えた山葵醤油和え。最後に穴子をさばく時にでる中骨ですが,捨てないでこれを奇麗に洗い,血抜きをし煎餅にした、骨煎餅ですチョッとグロテスク?。穴子は幅広く使える料理で,若い頃から好きでした,私が30歳の頃地元のデパートで展示会をした時にも穴子一式で展示品を出させてもらった事があります,これがその時の写真です

             39 ニューヨークで日本人に批判された料理
少し恥ずかしい話ですが,ニューヨークで日本人、従業員に批判された料理をとり上げてみました.これに先立ち次回チャンスがありましたらシェフとメートルディーと題して俺のオピニオンを掲載したいと思います。以前にこの欄でも書きましたがとにかく日本料理とフルーツを組み合わせた料理は中高年齢の人達には嫌われる率が多いと思う?左の写真はキングクラブの足にパパイヤとマヨネーズを合わせ少し酸味を加えて味を調えたソースを使用したもの、もちろんこれらの味は自分でフレンチのソース等と味を見比べて十分に肩を並べられる物と思い出した物です。パパイヤ釜にホワイトソースとシーフードを詰めて焼いたもの、次は刺身ですがマンハッタンのスカイラインを表現しようと思いこのような形で出しましたところ日本人の従業員からも批判されました、刺身が乾くと……しかしニューヨークタイムス紙にはとり上げられましたが……。次は寿司ですが食材は普通の常に使ってる寿司の食材、すし飯を使用してます、寿司タワー寿司ケーキ。デザートでは薩摩芋を使いました,大学芋をイメージして作りました,ホイップクリームにフルーツを混ぜ合わせたものを、揚げた芋に大学芋のソースをからめて挟み,写真では見えにくいでしょうが(素人が撮る写真ゆえ)燃えるバターを使い客席で火をつけていました。日本人従業員からは薩摩芋をデザートに使うなんてと……燃えるバターは俺が毎年幕張で行なわれるフーデックスの展示会で見つけたものです。今でも毎年このフードの展示会には行っていますけど,残念ですが最近は目新しい食材を使える仕事に従事してないのです。このような料理を出していましたのは10年以上またそれ以前です。

                  40 自分で作るパーティ用の器

塩器など、パーティーで使用する器を色々と自分で盛り易いようにデザインをして作ると,パーティー料理が同じ料理でも。少し引き立ちます上の写真は私が作りましたパーティー等で使用するの器です。

                    

            41 鰹 料理
今回は、鰹を材料にしたオリジナルな料理を少し掲載してみます、以前は鰹は女節は殆どの場合、生でも皮付きのまま出していましたが、最近は生の場合は殆どが皮を取り除いています鰹は翌々日には変色しがちですがその場合は、このような物に加工して出しても良いのではないかと思います?鰹の茶漬け、前菜等に……最初は左の写真ですが鰹を茶葉で薫製にしてマヨネーズをベースにしたソースで勧めた物です。他に鰹を良く炙って勧めますがこれは、200℃弱位に熱した油を皮面に掛けて勧めた物です。また、鰹は叩きが一番名が通っていると思いますが、これは完全に洋風の叩きにしてみました、全てがN.Yで作りました物で外人に勧める時、他の生魚と違い生で勧める時に鰹は独特の生臭さみが出ますので、何とかそれを少しでも消した方が食べ易いのではと思いこのような生物の勧め方をしてみました。似た様な物になりますが千草和えこれは皮を引いて、そのまま勧めた物です。この前菜はmother's dayにサービスで出した物です、右端にあります物が鰹の生姜煮で少し変色した物を生姜と煮込みケシの実を振りかけた物です、茶漬けは同じく実山椒でじっくりと佃煮風に煮まして仕上げた物です薬味には茗荷等を添えてあります。 所で余談になりますが,女節と男節=腹と背節です、上身、下身。以前はこのように呼び区別していましたが、最近は耳にした事がありません。

 


                  42 飾り添え物  (料理の写真から切り抜いたので画像は小さいです)
今回は、一皿の中でひときわその料理を引き立てている脇役のいくつかを取り上げてみます、胡瓜等は扇、松、さび台等色々ありますがこれらは、インターネットで検索するとなんとなく作り方がわかると思いますので、他の物を2〜3取上げて見ます。職人は手間を掛けて手間賃(給料)をもらうのです。手間もかけないでネットで調べて、既製品を仕入れ、そのまま使う……手間がかかってないので手間賃をもらう価値は?……そこで少しの手間を掛けて料理を引き立てられるものをと自分が海外で使った物をとり上げてみます。左にある写真は牛蒡です、牛蒡は中国が原産地ですが、中国では殆ど食べられていません、日本が唯一料理に使うらしいです?このコルネ牛蒡は牛蒡を長いまま紐状に切ってから干して、細い木製の棒でもアルミのコルネ棒等に巻き付け揚げた物です。次は春先に使う「蝶」です、人参、ラディシュ等で作る事が出来ます。夏が来る前に使うアスパラですが、「竹」に見立てた物です。また、同じ時期に胡瓜で簡単に出来て使えるのが「カエル」です、秋になり「キリギリス」。それから牛蒡を桂に剥いて揚げながら箸でまとめながら団子状にして天盛りにした物です冬の時期に献立の中に枯れ草のネーミング等使う時に使いました、また日本ではポロ葱ですが非常に値が高いですが、アメリカではleekと呼んで安く手に入りますが、これも牛蒡と同じ要領で作りますと、かすかなガーリックの香りが出て牛蒡以上の価値が出ます、以前は(「髪文字」かもじと読みます)献立にはこのように書いていましたが……白い物は白髪葱で良いのですが、白くない物は「かもじ」〜と読んだ物ですが今時なかなか理解出来ないでしょうね?甘海老等も安く手に入りますし新鮮で「髭」等も十分使えますのでこのように使ってました。殆どが1分とかからず出来るものです。

                 43  麹 
今回は、麹を使った料理を取上げて見ます。最近料理本や新聞を読んでますと、麹を取り入れた調味料のレシピーが時たま見られますが、私はもう10年以上前になると思いますが、ニューヨークで左の写真の「蛸の麹和え」、大根の短冊と花穂でサラダ感覚で勧めていた一品ですがメディアにも取上げてもらった事を思い出しました。ニューヨークで常温保存出来る米麹は乾燥させてある物しかないので、発酵させるのに少し厄介でしたが、ドレッシングは麹100%ノンオイルの今時市販すると売れるのではないかと?いまだに味わった事もない“いける”ドレッシングだと思っています?まず麹を安定した同じ状態で発酵させる事が一つの課題です。発酵させた麹と味噌で味を整えて、ムラ洗いした鰤に載せて焼いたのが鰤の麹焼き。ブロッコリー、子持ち昆布、水前寺海苔等を味噌、塩で味を整えた灘和えです、右にある物は甘海老の柚子と塩で味を調えた麹和えです。麹は、味噌や柚子等と良く合うと思うし、酒粕とは兄弟みたいな物ですから色々と日本料理に使えますが発酵させると、知っての通り非常に甘みが出て一瞬料理には使えないのではと思いますが使い方によっては興味がわいてくる原材料です。何でこんな前に麹を使えたのか?と云うと、最初は料理に使おうと思ったのではなく昔、良くお袋と一緒にお袋の実家で甘酒を飲んだ記憶から(もう50年以上前)懐かしく思い麹が手に入るとの事で作ってみましたが保温する物もなく何度か失敗し、捨てるのがもったいないのでドレッシングを作った所、今までに出会った事のない味になり色々と料理に使い始めた訳です。最後に吸い物代わりに使える「上澄み仕立て」単純に味噌汁(大徳寺を使うと塩分の関係で味が引き立つ)に麹を加え味を調えて上澄みだけを使った物です、熱くして勧めるよりは、夏に冷して勧めると少し甘みが消えて美味い吸い物代わりになります(女性好み)

 

                   44  日本料理今昔

左は、
古い日本料理「饅(ぬた)」 ですが、盛り付けを少し変えるだけで斬新な一皿に見えると思うのですが……材料は、若布、菊花、焼き北寄貝、長芋、天に枸杞の実を置いてあります。

右は、
古い技法そのもので、南瓜饅頭。南瓜を潰して饅頭に仕立て、青海苔を煎り上げ粉にして再び南瓜に見立てたもの。手間はかかりますが面白い一品になります。

                   45  パーティ料理

   

 暫く更新が出来ないと思っておりましたが、新年早々更新できるチャンスが訪れました。私、来月再び渡米する事になりました、マンハッタンにある日本レストランで仕事をさせていただける事になりました。帰国してから7年が過ぎその七年間、フランス本場のミッシェランで星を獲得したフランスのシェフたちが毎月以前は、新宿、汐留と講習会を開催しており毎回出席させていただき、和食一筋の私が徹底してフレンチ料理の勉強をさせていただきました、以前27年間米国で仕事をし、見様見まねでフレンチ、イタリアンと現地の人たちが食べやすい料理と我武者らに進んで参りましたが、講習会に出向き自分の和食以外の料理が、いかに形だけの代物か知らされました、和食&フレンチ、当初は興味半分で通いましたが、しかし共通する技法の出会いが多く非常に興味が沸き、7年間通う事が出来ました。さて、これから再び渡米し、今までの7年間の結果がどう出るかは皆目見当がつきませんが楽しみに一つでもあります。
次回は、5月頃に新しく開発したオリジナル料理を掲載する事が出来ると思います
左の写真は、今まで取り上げなかったパーティー料理を取り上げてみました、Waldorf-Astoria Hotel内に店がありましたのでパーティーは頻繁にあり氷彫刻、盆景と多種の仕事ができました、こちらを参照。

             46 エスプーマ

蕎麦クレープは、今まで色々な内容で数多く作りましたが今回は、浅蜊を「山椒煮」に仕立て蕎麦クレープで巻いてみました。再びN.Yに戻り取り入れた物は、エスプーマです、泡を作る道具です、以前日本でも使った事はありますが、泡がどうしても酸味を帯びてしまって使えませんでした、その理由が日本では、炭酸ガスしか添加物として認められていませんでした、今は亜酸化窒素ガスが食品添加物に認められ、酸味の無い綺麗な泡を作る事が出来ます。この泡は浅蜊に火を通すときに出る浅蜊の出汁を泡に仕立てた物です。このエスプーマの仕事はこれからも何回か出てきますので紹介します。 

    47 クリスタル雲丹

クリスタル雲丹」と名前をつけました。現在は、殆んど使われていませんが、ときたま茶懐石に使われている「煎り酒」を取り入れました、室町時代から使われているものですが江戸時代に醤油が開発されると次第にこの煎り酒が醤油に代り使われるようになり「煎り酒」は姿を消していくようになり現在では茶懐石料理の「向付け」などに使われているように、鱠や昆布〆に使われている調味料の類に当たるものです、その歴史ある煎り酒を使い一品を創りました。持ち手のところに泡がありますが、その泡は前回と同じくエスプーで煎り酒を泡にし、雲丹は煎り酒をアガーでシートにして包みました。 

            48 豆腐と枝豆のテリーヌ

回は豆腐と枝豆のテリーヌ、外側は湯婆で巻いてありますのでテリーヌの材料が全て大豆から出来ているのが売りです。今でもアメリカでは豆腐、枝豆など要するに大豆の栄養、健康面での良さは、日本食を食されている殆どの方は、理解されていると思うのでこの一品をとりあげてみました

「大豆の効用について」簡単に記載してみます左に掲載しました豆腐テリーヌですが、乳がんは日本では少なく、欧米では多い、しかし米国に移住した日系人発症率が高まる事で食生活に着目し研究した結果、大豆の効用は10年間の厚生労働省研究班の調査結果は大豆製品を毎日食べる人と食べない人では2割の発症率の違いが出た、という調査結果、大豆に含まれるイソフラボンが影響していると言われる。大豆から作られる「大豆ペプチド」週三回飲み続けると仕事によるストレスが軽減されるという、これは早稲田大学工学部が発表したユニークな調査結果。「畑の肉」とも言われる大豆たんぱく質悪玉コレステロールを減らし心臓病のリスクを軽減する、この様な事を踏まえ米食品医薬品局(FDA)は1999年から一定量以上の大豆たんぱく質を含む食品に「心臓病のリスクを低減する」という表示を認めています。



          49 フォアグラムースの白菜包みコンソメ仕立て 

料理名は『フォアグラムースの白菜包みコンソメ仕立て』とチョット日本料理からかけ離れた名前をつけましたが、この白菜は麹に漬け込んだ“ べったら漬け”のように仕上げています、甘酒麹と塩麹で当たりを取り、漬け地をつくり塩茹でした白菜の葉を漬け込みました、フォアフラは常時メニューにあるフォアグラ寿司を仕込む時に出る手屑を使っています、それらをムースに仕立てさっと焼いて漬け込んだ白菜で包んでいます、写真では白菜の葉が緑に見えていますが、緑色をしているところは苦味が出てきます、芯の白い葉を使ったほうが甘みが出ます。
最近の献立名は、理解しやすさを求められどうしても長めになります。専門用語を使い短めな名前にするよりは親しみがあると思います。

 

            50 焼き野菜 チアシードソース 

塩、胡椒を掛けて焼いた野菜ですが、ここで説明したいのは下に敷いてあるソースを取り上げたいと思います、ベースは柚の絞り汁と味噌です、玉ねぎと少しのガーリックを弱火でじっくりと炒め、焦がすとソースが黒くなるので焦げないように十分に火を入れて透明になったらフードプロセッサーに入れ味噌とともによく潰し、柚の絞り汁、煮切り、砂糖少しの薄口醤油等で味を整えて、このソースにチアシードのもどしたものをたっぷり入れたソース(チアシードは味のつけたスープでもどしてあります)。メニューの名前は「Healthy弁当」というメニューの中の一部の料理ですがチアシードやキヌアなかなか体に良いと以前から日本でも評判になっているものを取り入れてみました。 最近色々なソース、ドレッシングを作りますが殆どがNon-oilのドレッシング、以前はオイルが入っていないとドレッシングとは名前をつけてはいけないと思っていましたが、ここ数年前から、なるべく オイルを使わないよう 心がげています。

 

 

             51  煽り烏賊昆布〆 オレンジソース

今までも色々なフルーツのソースを使ったオリジナルな日本料理を作ってきましたが、今回はオレンジを使った料理を掲載してみました、季節柄 煽り烏賊を使いました、烏賊は塩を軽くして昆布〆にし大根は桂に向いてオレンジの絞り汁に少しの酢、塩で調整したジュースに浸酢、その時一緒に白板昆布も軽く洗いその桂大根と白板昆布で烏賊を巻き漬け込んだジュースの味を整えとろみをつけて掛けてあります。フルーツでソースを作りました料理を幾つかありますので参考にしてください。各フルーツから一品取り上げてみます。まず苺ですこれはレモンソールを使いホワイトバルサミコ、麹などで味を調節した物。アプリコットは骨切りした鱧を湯引きしワインビネガーでなどで味を整えベシャメルでとろみを付ました。キウイですがパパイヤと組み合わせて、山芋にマスカポーネを加えてかるかんと名前をつけました。無花果ですが余り甘くないジャムを作りそこから赤ワイン、バルサミコ、大蒜、バターなどを加え味を整えて牛肉のソテーを和えてみました。林檎ですが、灰汁止めした林檎を少し酢、ヨーグルトを加えホースラディッシュを加えて味を調整してソースにしました、牛タンですが下味は付けてあります、もう20年前になると思いますがN.Yで牛タンと説明したら殆どの人は食べないので牛肉の一部とだけ説明するように伝え、メニューにも牛タンとは表示しませんでした、100%に近い数字で残していませんでした。これには俺も驚きました、最後に鱈場蟹のパパイヤソースです、マヨネーズを隠しに入れてあります。

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